近年はクレジットカードなどで納税できるようになり、今まで以上に支払い方が重要視されるようになってきました。現金で納税するとポイントは全く付与されませんが、クレジットカードや各種決済手段で納税すると、ポイントが付与されるからです。
税金はポイント付与率が低くお得さが欠ける傾向にありますが、特定の支払いスキームを採用することで、ポイント付与率を実現できます。今回は、ポイント付与率3%と破格の高さを実現できる、アメックスのプロパーカードとAmazonの組み合わせスキームを紹介します。
税金をアメックスで支払うとポイント還元率が低下
引用:アメリカン・エキスプレス・カード公式サイト
アメックスが発行するプロパーのクレジットカードで支払いすると、基本的には100円につき1ポイントが貯まります。つまり、支払い金額の1%分がポイントとして還元されるのです。
しかし、アメックスで税金を支払う際はポイント還元率が低下してしまい、200円につき1ポイント貯まります。つまり、支払金額の0.5%分がポイントとして還元されるのです。ポイントが貯まる分だけ、直接納税するよりもお得さは増しますが、獲得できるポイントは半分になってしまいます。支払い金額に対するお得さが減ってしまう点に注意しなければなりません。
特に納税金額が大きい場合、獲得できるポイントには大きな差が出てしまいます。例えば、納税額が100万円ならば獲得できるポイントの差は5,000ポイントですが、納税額が300万円ならばその差は15,000ポイントです。納税額次第では「誤差」とは言えないポイント数になってしまうため、できるだけポイント還元率を高める工夫が求められます。
税金の支払いにはアメックス✕Amazon Payがおすすめ
引用:アマゾンペイ公式サイト
上記で解説したとおり、税金をアメックスが発行するプロパーカードで直接支払うと、ポイント付与率は0.5%まで下がってしまいます。しかし、以下で説明するとおり、アメックスのプロパーカードとAmazon.comが提供する「Amazon Pay」を組み合わせることで、ポイント付与率を3%まで高めることが可能です。続いてはこちらの裏技について解説します。
税金は◯◯ペイで支払いが可能
各種税金をクレジットカードで支払えることは理解されていますが、現在はそれら以外にも「◯◯ペイ」で支払えるようになっています。しかも、クレジットカードで納税する場合は手数料が発生するケースがあるのに対して、スマホ決済を利用する場合は手数料が発生しません。2023年9月現在では、以下のスマホ決済手段で納税が可能です。
- PayPay
- d払い
- au PAY
- LINE Pay
- メルペイ
- Amazon Pay
これらのアカウントを保有している場合、納税する税目や金額のわかるものを用意することで、スマートフォンから納税できます。銀行で振り込みしたりコンビニなどに出向いたりする必要はなく、日頃の支払いと同じような流れで納税できることがメリットです。ポイントが貯まるだけではなく、納税にかかる時間を短縮できる効果も生み出します。
h3:ポイント付与率3%のAmazonギフト券を購入
アメックスとプロパーカードには、税金のようにポイント付与率が下がる支払先があります。ただ、その反面「メンバーシップ・リワード・プラス」に加入して特定の加盟店で利用すると、100円につき3ポイントが貯まる仕組みもあります。対象となる加盟店はいくつもあり、例をあげると以下の通りです。
- Amazon
- Yahoo!
- ITunes
- JAL
- H.I.S
これらは一例ではありますが、ポイント付与率が高まる加盟店に、Amazonが含まれていることに注目しておきましょう。実はこのAmazonの支払いには制限がなく、一般的な商品からギフト券までどのような購入についても通常の3倍のポイントが付与されます。ギフト券など金券はポイント対象外のケースもありますが、アメックスとAmazonの組み合わせならば、むしろ3倍ものポイントが獲得できるのです。
また、Amazonギフト券は1回あたりの支払い上限が設けられていません。支払いに必要な金額さえ用意できていれば、100万円以上など高額な商品の支払いにも利用できます。しかも、クレジットカードでAmazonギフト券を購入する場合は、1回あたり50万円まで購入できるため、少ない回数で必要な金額を購入することが可能です。
Amazonギフト券をチャージしてAmazon Payで納税
Amazonギフト券でチャージしておけば、Amazon Payの支払いに充当できることに注目しましょう。Amazon Payでの支払いには1回あたり1,000万円未満という上限金額が設けられていますが、実質的には設定されていないと同義です。高額な納税であっても、Amazon Payであればスムーズに支払いできます。
直接的な支払いとしては、Amazon Payであるためこの部分に対してポイントは付与されません。一般的な支払いではポイントが付与されますが、税金の支払いではポイントが付与されないのです。この点についてはやむを得ないと考えましょう。
ただ、Amazon Payでのポイントは獲得できないものの、支払いに利用したAmazonギフト券の購入でポイントが獲得できています。アメックスの「メンバーシップ・リワード」で3%分のポイントが貯まっているため、実質的には納税でポイントが貯まるといえるのです。
しかも、メンバーシップ・リワードは貯まったポイントを幅広い用途に利用できます。AmazonのポイントはAmazonに関連する支払いにしか利用できませんが、メンバーシップ・リワードはそうではありません。ポイントを大量に貯めることで、使い道の幅が広がりポイントを貯めることに対する充実感も得られるため、メンバーシップ・リワードを貯める方がメリットは大きいと考えて良いでしょう。
3%のポイント付与率が適用されるクレジットカードは6種類
引用:アメリカン・エキスプレス・カード公式サイト
メンバーシップ・リワード・プラスの概要
上記で解説した「特定の加盟店で3%のポイント付与率」を適用するには、アメックスがプロパーカード向けに提供する「メンバーシップ・リワード・プラス」に加入する必要があると説明しました。こちらは、加入しておくことでポイントを効率よく貯められるサービスです。
例えば、メンバーシップ・リワード・プラスには「対象加盟店ボーナスポイントプログラム」「海外利用ボーナスポイントプログラム」と呼ばれるプログラムが用意されています。これらに登録することで、通常よりも多くのポイントを獲得することが可能です。Amazonで3%のポイントを獲得する際は「対象加盟店ボーナスポイントプログラム」にも登録しておかなければなりません。
また、通常はポイントの有効期限が設けられていますが、メンバーシップ・リワード・プラスに加入することでポイントの有効期限は無期限になります。他にも、貯めたポイントを何かしらの用途に利用したい場合、ポイントの移行レートが優遇されるなどのメリットもあります。
メンバーシップ・リワード・プラス対応クレジットカード6種
加入できるクレジットカードは以下の通りです。
- アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード
- アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード
- プラチナ・カード®
- アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・グリーン・カード
- アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・ゴールド・カード
- アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・プラチナ・カード
これらのクレジットカードの中でも「プラチナ・カード」と「アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・プラチナ・カード」以外は、の登録費用として年間3,300円(税込)が必要です。どのクレジットカードにおいても、手元に届いてからアメックスのマイページへログインし手続きしなければなりません。初回は手続きしてから適用されるまでに2週間程度が必要です。
なお、新たに発行するクレジットカードに悩むならば「プラチナ・カード」が圧倒的におすすめです。非常に多くのサービスが付帯されているため、これらを活用することで非常に充実した日々を送れるようになるでしょう。メンバーシップ・リワード・プラスの登録費用は無料であるため、納税でまとまったポイントを貯めつつ、プラチナカードらしいハイクオリティなサービスを受けられます。
ボーナスポイントの上限は年10万ポイント
メンバーシップ・リワード・プラスに加入した状態でAmazonで支払いすると、ボーナスポイントを含めて100円につき3ポイントが貯まります。1ポイントは通常ポイントで2ポイントはボーナスポイントです。このうちボーナスポイントは、年間10万ポイントまでしか獲得できません。つまり、単純計算で500万円までしかボーナスポイントを獲得できないのです。
もし、納税額が500万円を超えている場合は、アメックスのプロパーカードとAmazonの組み合わせを活用しても、500万円までしかお得にポイントを獲得できません。ただ、500万円を超えた部分についてもアメックスでAmazon Payをチャージして支払うならば、1%のポイント付与率は担保できます。とはいえ、500万円まで3%のポイント付与率であるため、非常に多くのポイントを獲得できることには違いがありません。
また、納税以外にもアメックスのクレジットカードを多用する場合は注意した方が良いかもしれません。例えば、Amazon以外にも「JAL」「一休.com」「H.I.S」など旅行に関連する支払いで同様に3%のポイントを獲得できます。対象カードの中でも「プラチナ・カード」を手に入れ、特典を活かすために家族で旅行を繰り返していると、納税前に多くのポイントを獲得している可能性があるのです。
なお、ボーナスポイントの計算は毎年9月1日から8月31日を1年とします。暦上の1年とは大きく異なるため、その点も踏まえて上限ポイントを意識しておいた方が良いでしょう。
なお、納税額が500万円を超えてしまう場合は、メンバーシップ・リワード・プラスの対象である「プラチナ・カード」と「Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード」の組み合わせをおすすめします。Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カードは、ポイント付与率3%の高還元率クレジットカードであるため、500万円を超える部分はこちらでAmazonギフトを購入することで多くのポイントを手に入れられるのです。ただ、プラチナ・カードとは異なり、マリオットボンヴォイグループのホテルなどで利用するためのポイントが貯まります。
また、プラチナ・カードで獲得したポイントは「アメックス1,000ポイント = マリオットボンヴォイ990」のレートでポイントを移行できます。以下のイメージで解説するヒルトンポイントへの移行ほどお得ではありませんが、まとまったポイントを移行することで高級ホテルへ無料宿泊が可能です。
納税で獲得できるポイントのイメージ
上記では、メンバーシップ・リワード・プラスへ登録しておくことで、納税額の3%ものポイントを獲得できることを解説しました。続いては、実際の納税額を踏まえて、どの程度のポイントを獲得できるのか試算を紹介します。
比較対象としてメンバーシップ・リワード・プラスが無料で付与され特典も多い「プラチナ・カード」「アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード(メンバーシップ・リワード・プラスへ未加入)」「ポイント還元率1%のクレジットカード」を示し、どの程度多くのポイントが貯まるのかも参考に紹介します。
なお、今回は納税額を算出する方法として、年収の25%を納めるものとします。実際は家族構成などによって納税額は大きく変化しますが、ここでは参考としてご覧ください。
年収1,000万円(納税額250万円)
クレジットカード | 獲得ポイント(単位:ポイント) |
プラチナ・カード | 75,000 |
アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード | 25,000 |
ポイント還元率1%のクレジットカード | 25,000 |
プラチナ・カードで75,000ポイントを貯めると、ANAマイル75,000マイルへと移行できます。これは大人2人と子供1人の家族3人で、東京から上海(中国)を往復できる程度です。税金を支払った際にアメックスのポイントを貯めておけば、それだけでちょっとした海外旅行へ行けるようになります。ただし、ANAマイルへのポイント移行は年間40,000ポイントに制限されているため75,000ポイントを移行するためには、2期(2年)が必要です。
なお、ANAマイルやJALマイルへの移行は、1ポイントあたりの価値を算出したときのお得とはいえません。ANAマイルには上記のとおり移行上限があり、JALマイルは2,500ポイントを1,000マイルと付与率が1%程度まで下がってしまいます。
そのため、まとまったポイントを貯め、以下で解説するヒルトンポイントへ移行し、高級ホテルへの宿泊に利用することをおすすめします。
年収1,500万円(納税額375万円)
クレジットカード | 獲得ポイント(単位:ポイント) |
プラチナ・カード | 112,500 |
アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード | 37,500 |
ポイント還元率1%のクレジットカード | 37,500 |
プラチナ・カードで112,500ポイント貯め、1.25倍のレートでヒルトン・オナーズのポイントへと交換すると140625を獲得できます。例えば、ヒルトングループの中でも5つ星ホテルである「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」は、1泊で110,000ポイントであるため、非日常を楽しめるホテルへ家族で1泊可能です。通常の宿泊では12万円以上するホテルへ納税で得たポイントだけで宿泊できるのです。
年収2,000万円(納税額500万円)
クレジットカード | 獲得ポイント(単位:ポイント) |
プラチナ・カード | 150,000 |
アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード | 50,000 |
ポイント還元率1%のクレジットカード | 50,000 |
Amazon Payを利用して3%のポイントを獲得できる最大の納税額です。プラチナ・カードで150,000ポイント貯め、ANAマイルなど航空会社のマイルへと交換すると、家族でハワイへの往復が可能です。納税によりバカンスの交通費を捻出できます。
また、プラチナ・カードで150,000ポイントを貯めると、1.25倍のレートでヒルトン・オナーズのポイントへと交換すると187,500ポイントという非常に多くのポイントを得られます。これだけ多くのポイントがあれば、上記のROKU KYOTO, LXR Hotels & Resortsへ家族で2泊したり、ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resortsに加えて高レベルのホテルである「ヒルトン東京」へ71,000ポイント程度で1泊したりすることも可能です。また、最高レベルのホテルであるコンラッド東京のエグゼクティブルーム(通常よりも広くサービスの充実した部屋)へ170,000ポイント程度で1泊する選択肢もあります。
まとめ
アメックスのプロパーカードで税金の支払いはできますが、プラチナ・カードであってもポイントの付与率は0.5%です。納税に対するポイント付与率は低いクレジットカード会社が多く、ある程度やむを得ない部分があるでしょう。
しかし、今回紹介した通りアメックスのプロパーカードでAmazonギフト券を購入し、それをチャージしたAmazon Payで納税するとポイント付与率は3%まで高まります。クレジットカードで直接納税する場合と比較すると、6倍ものポイントを獲得できるのです。非常に多くのポイントを獲得できるため、この方法を採用しない意味はありません。
納税は避けられない支払いであり、年収の25%から30%程度と非常に多くの割合を占めます。日頃の買い物でもクレジットカードのポイントは貯まりますが、納税額と比較すれば微々たるものです。クレジットカードで納税すれば、一気に何万ものポイントを獲得できるため、紹介したようにプラチナ・カードを活用して是非ともポイントを獲得してください。