日常的にクレジットカードを利用することでポイントを貯めることができ、お得に生活することができるようになります。楽天ポイント、dポイント、Vポイントなどさまざまなポイントプログラムが存在していますが、それらと並び多くの方から人気を集めるのが航空会社のマイレージです。特に日系大手航空会社のANA(全日本空輸)のANAマイルは幅広く利用できるということもあり、多くの方から評価を集めています。ANAマイルの利用方法は様々ですが、人気の利用法の一つとして特典航空券の購入があります。そこで今回はANAマイルを使った特典航空券の購入方法を中心に、飛行機利用でお得になる使い方について徹底解説します。
ANAマイルとは
ANA公式サイトより
まずANAマイルについて簡単に説明します。ANAマイルはANAがサービスを提供する「ANAマイレージクラブ」に登録して条件を満たすことで獲得できるポイントのようなものです。LCCや一部の航空会社を除いて基本的には航空会社ごとにマイレージクラブが存在しています。
ANAのほかにも、日本航空の「JALマイレージバンク」、外資系ではマイルの使用期限がないデルタ航空の「デルタスカイマイル」、ユナイテッド航空の「マイレージプラス」などが日本人に人気となっています。
ANAは数多くの国内線や日本発着の国際線を運航している日系航空会社ということもあり、数あるマイレージプログラムの中でもANAマイルを貯めている日本人は非常に多くなっています。また、飛行機利用はもちろんそれ以外の日常でも使用できる場面が多く用意されているため、さまざまなシーンで非常に使いやすいマイルとなっています。
ANAマイルはANA便や提携航空会社運航便への搭乗、クレジットカード利用、ポイント交換によって貯めることが可能です。
ANAマイルの使い方
ANA公式サイトより
ここまででANAマイルの貯め方について簡単に説明してきました。では、そのようにして貯まったANAマイルはどのように利用することができるのでしょうか。ここではANAマイルのおすすめの使い方を詳しく解説します。
ANAマイルが使える場面は大きく分けるとフライト、旅、日常の3つに分類されます。ここではそれらのシーン別に解説します。
【フライト】ANA国内線特典航空券
まずはANA国内線特典航空券の購入です。特典航空券とはANAマイルを使って購入した航空券のことであり、必要マイル数を保有しており座席が残っていればマイルで航空券を購入することができます。
国内線特典航空券を購入する際には確認すべきことが3つあります。それは「搭乗日のシーズンの確認」、「基本区間マイレージの確認」、「必要マイル数の確認」です。ではこの3つについてそれぞれ見ていきましょう。
【国内線】搭乗日のシーズン
搭乗日のシーズンとはいわゆる繁忙期か通常期か閑散期かといったことです。一般的に旅行客が多くなる週末、年末年始、ゴールデンウイーク、長期休暇などは繁忙期とされ、航空券の価格が高騰する傾向にあります。一方で、年末年始休み後の1月2月や夏休み前の6月などは比較的旅行客が少ないこともあり閑散期とされ、安く航空券を購入できる傾向にあります。
これは特典航空券で必要となるマイル数も同様です。ANAでは1年間を閑散期のL(ローシーズン)、通常期のR(レギュラーシーズン)、繁忙期のH(ハイシーズン)に分類しており、シーズンによって必要マイル数が異なります。Lシーズンは必要マイル数が少なく、Hシーズンは必要マイル数が多くなります。2023年から2025年のシーズンは以下の画像の通りとなっています。
ご自身が購入を検討している時期がどのシーズンに当たるのかを確認するようにしましょう。
ANA公式サイトより
【国内線】基本区間マイレージの確認
基本区間マイレージとは出発の空港と到着の空港との距離(マイル)を表しており、基本区間マイレージが小さいほど距離が近く、基本区間マイレージが大きいほど距離が遠くなります。ANAの国内線では基本区間マイレージは「0~300マイル区間」、「301~800マイル区間」、「801~1,000マイル区間」、「1,001~2,000マイル区間」の4区間に分類分けされています。
この基本区間マイレージに応じて必要マイル数が変化することとなります。基本区間マイレージ別の発着路線は以下の画像の通りとなっています。
ご自身が搭乗する区間がどのマイルとなるのかを確認しておきましょう。
ANA公式サイトより
【国内線】必要マイル数の確認
最後に特典航空券購入に必要なマイル数を確認しましょう。特典航空券の購入に必要なマイル数は、シーズンと基本区間マイレージによって決定します。必要なマイル数は以下の画像の通りです。
ANA公式サイトより
では、ANA国内線の特典航空券購入に必要なマイル数を具体的な状況で確認してみましょう。以下に示した表は東京を起点とした国内人気路線におけるシーズン別の必要マイル数です。
表 東京を起点とした国内線におけるシーズン別必要マイル数(片道)
搭乗区間 | 基本区間マイレージ | シーズン | 必要マイル |
東京~大阪 | 0~300マイル | L | 5,000マイル |
R | 6,000マイル | ||
H | 7,500マイル | ||
東京~福岡 | 301~800マイル | L | 6,000マイル |
R | 7,500マイル | ||
H | 9,000マイル | ||
東京~札幌 | 301~800マイル | L | 6,000マイル |
R | 7,500マイル | ||
H | 9,000マイル | ||
東京~沖縄 | 801~1,000マイル | L | 7,000マイル |
R | 9,000マイル | ||
H | 10,500マイル |
ここからわかるように搭乗の時期や区間によって必要なマイル数は大きく異なります。国内線の往復で特典航空券を購入する場合には最低でも1万マイル、繁忙期や長距離路線となると2万マイル以上必要となります。ご自身の保持マイル数と必要マイル数を確認して購入するか検討しましょう。国内線特典航空券はANAのホームページもしくは、ANAマイレージクラブ・サービスセンター(電話)から購入可能です。
【フライト】ANA国際線特典航空券
ANAマイルではもちろん国際線の特典航空券を購入することも可能です。しかし、国内線と比較すると少し複雑になるため注意が必要です。では先ほどと同様に3点を確認します。
【国際線】基本区間マイレージ(Zone)の確認
国際線の特典航空券を購入する場合最初に確認するのが基本区間マイレージです。国際線の場合、目的地ごとに細かくZoneに分類されています。搭乗を検討している目的地がどのZoneに分類されているかを確認しましょう。Zoneは以下の画像の通りとなっています。
ANA公式サイトより
【国際線】搭乗日のシーズン
国際線の搭乗日のシーズンは目的地(Zone)によって異なります。国内線のようにシーズンが一律ではないため、しっかりと目的地のZoneを確認した後、どのシーズンに振り分けられているのかを確認するようにしましょう。それぞれのシーズンは以下の画像の通りとなっています。
ANA公式サイトより
【国際線】必要マイル数の確認
国際線の特典航空券購入に必要なマイル数は、国内線と同様で基本区間マイレージ(Zone)と搭乗日のシーズンによって決定されます。必要なマイル数は、以下の画像の通りとなっています。国際線の特典航空券は片道での購入は出来ず、往復のみとなっています。
ANA公式サイトより
では必要マイル数を具体例とともに確認しましょう。以下に示した表は東京を起点とした国際線におけるシーズン別の必要マイル数です。
表 東京を起点とした国際線におけるシーズン別必要マイル数(往復)
搭乗区間 | Zone | シーズン | クラス | 必要マイル数 |
東京~ソウル(仁川) | Zone2 | L | Y | 12,000マイル |
C | 25,000マイル | |||
R | Y | 15,000マイル | ||
C | 30,000マイル | |||
H | Y | 18,000マイル | ||
C | 33,000マイル | |||
東京~バンコク(スワンナプーム) | Zone4 | L | Y | 30,000マイル |
PY | 46,000マイル | |||
C | 55,000マイル | |||
F | 105,000マイル | |||
R | Y | 35,000マイル | ||
PY | 51,000マイル | |||
C | 60,000マイル | |||
F | 105,000マイル | |||
H | Y | 38,000マイル | ||
PY | 54,000マイル | |||
C | 63,000マイル | |||
F | 114,000マイル | |||
東京~ニューヨーク(ジョン・F・ケネディ) | Zone6 | L | Y | 40,000マイル |
PY | 62,000マイル | |||
C | 75,000マイル | |||
F | 150,000マイル | |||
R | Y | 50,000マイル | ||
PY | 72,000マイル | |||
C | 85,000マイル | |||
F | 150,000マイル | |||
H | Y | 55,000マイル | ||
PY | 77,000マイル | |||
C | 90,000マイル | |||
F | 165,000マイル |
国際線においてANAマイルで特典航空券を購入する場合、最低でも1万2,000マイル、繁忙期や長距離路線では10万マイル以上必要となることもあります。しかし、ビジネスクラスやファーストクラスを利用する場合にはお得に利用できるという一面もあります。
ANA公式サイトより
航空券の価格は刻々と変動するため一概に言うことは難しいですが、国際線のビジネスクラスやファーストクラスの航空券は、エコノミークラスの5倍以上の価格で販売されていることも少なくありません。実際に上の画像でわかる通り、5月16日の東京(羽田)~ニューヨーク(JFK)便はエコノミークラスとファーストクラスの販売価格にはおよそ6倍もの差があります。多くの人にとってビジネスクラスやファーストクラスは高嶺の花的な存在ですが、特典航空券の場合には常に一定のレート(およそ3倍)で購入可能です。ビジネスクラスやファーストクラスを利用したい方は、マイルを貯めて特典航空券を購入することをおすすめします。国際線の特典航空券はANAのホームページもしくは、ANAマイレージクラブ・サービスセンター(電話)から購入可能です。
【フライト】提携航空会社特典航空券
スターアライアンス公式サイトより
ANAマイルではANA便以外にも提携航空会社が運航する特典航空券を購入することができます。ANAはスターアライアンスに加盟しているため、スターアライアンスに加盟している他の航空会社(上の画像一覧の航空会社)の航空券をANAのマイルを使って購入することが可能です。提携航空会社の特典航空券はANAのホームページ、ANAマイレージクラブ・サービスセンター(電話)から購入可能です。フィリピン航空、ベトナム航空など一部航空会社においてはANAマイレージクラブ・サービスセンターのみの対応となりますのであらかじめ確認しておくようにしましょう。また、ANAマイレージクラブ・サービスセンターでの予約は、購入国ごとに発券手数料として現地通貨で2,000円~4,000円程度発生します。ANAウェブサイトからの申し込みでは発券手数料はかかりませんので、可能な場合はウェブサイトからの申し込みをおすすめします。基本的に提携航空会社の特典航空券購入方法は、ANAの国際線特典航空券の購入方法と同様です。
ユナイテッド航空、シンガポール航空、ルフトハンザ航空などスターアライアンスに加盟している航空会社の特典航空券を購入できるため、ANA便が運航していない路線であってもANAマイルで搭乗できるというメリットがあります。
スターアライアンス以外にもスターアライアンス コネクティングパートナー、マイレージ提携をしている以下の12航空会社が提携会社となっています。
- 吉祥航空
- エア ドロミティ
- マカオ航空
- エティハド航空
- ユーロウィングス
- ガルーダ・インドネシア航空
- ジャーマンウィングス
- ジェットエアウェイズ
- オリンピック航空
- フィリピン航空
- ヴァージン アトランティック航空
- ベトナム航空
【フライト】国際線におけるアップグレード特典
ANAマイルを利用することで、国際線の客室をアップグレードすることが可能です。これはクレジットカードなどで購入したエコノミークラスの航空券を、マイルを使ってビジネスクラスやファーストクラスにアップグレードするといったサービスです。
こちらも区間基本マイレージと、アップグレードの変化(エコノミーからプレミアムエコノミー、ビジネスからファーストなど)によってそれぞれ必要マイル数が異なります。9,000マイルから4万5,000マイルの間でアップグレードが可能となります。さらに快適な旅となること間違いないでしょう。
ANAグループ運航の国際線と、スターアライアンスパートナーなどの提携航空会社運航の国際線がアップグレード対象となります。
【フライト】ピーチポイントに交換
ANA公式サイトより
ANAは日系LCCのピーチと提携を結んでいるため、ANAマイルをピーチポイントに交換してお得にピーチを利用することが可能です。ANAマイル500マイルから、ピーチポイントに交換することが可能です。
ピーチは国内線のみならず台湾や韓国などの近距離国際線も運航しており、ANAよりも安く利用できるため、格安旅行を楽しみたい方にとっては非常にありがたいサービスなのではないでしょうか。必要マイル数と獲得ポイント数は以下の表のようになります。
表 交換マイル数と獲得ピーチポイント数
交換マイル数 | ピーチポイント数 |
500マイル | 450ピーチポイント(450円相当) |
1,000マイル | 900ピーチポイント(900円相当) |
5,000マイル | 4,500ピーチポイント(4,500円相当) |
10,000マイル | 9,000ピーチポイント(9,000円相当) |
【フライト・旅】SKYコインへの交換
ANAマイルをANA SKYコインへと交換することが可能です。ANA SKYコインでは航空券や国内ツアー・海外ツアーなどの旅行商品を購入できます。ANA SKYコインであれば座席に空きがあればいつでも航空券を予約できるため、販売座席数に制限がある特典航空券よりも予約がしやすいというメリットもあります。マイルと混同されがちですが、マイルとは別のものであると把握しておきましょう。そんなANA SKYコインは1マイルからコインへと交換でき、交換したSKYコインは10ポイント(=10円)単位で利用可能です。
ANAマイルからANA SKYコインへの交換レートはANAの会員ステータスやクレジットカードによって異なります。以下に示す表を参考にしてみてください。
表 ANAマイルからANA SKYコインへの交換レート
交換マイル数 | ANA「ダイヤモンド」「プラチナ」「ブロンズ」メンバー | SFC、ANAカードプレミアム、ANAゴールドカード | ANAカード(ワイド・一般)、AMCモバイルプラス | ANAマイレージクラブカード | |
1~9,999マイル | 1~9,999(1.0倍) | ||||
10,000マイル | 13,000(1.3倍) | 1,2000(1.2倍) | |||
20,000マイル | 28,000(1.4倍) | 26,000(1.3倍) | 24,000(1.2倍) | ||
30,000マイル | 45,000(1.5倍) | 42,000(1.4倍) | 36,000(1.2倍) | ||
40,000マイル | 64,000(1.6倍) | 60,000(1.5倍) | 48,000(1.2倍) | ||
50,000~200,000マイル | 85,000~340,000(1.7倍) | 80,000~320,000(1.6倍) | 75,000~300,000(1.5倍) | 60,000~240,000(1.2倍) |
まとめ
今回は大手日系航空会社ANAのマイレージクラブであるANAマイルでの特典航空券の購入方法を中心に詳しく解説してきました。ANAマイルはANA便や提携航空会社の特典航空券の購入、客室のアップグレード、SKYコインへ交換して航空券を購入するなど飛行機利用が快適となる使い道が多数ありました。ANAをよく利用する人はもちろん、ANAカードなどの利用でANAマイルを貯めている人は今回の内容を参考にして、いつもよりも快適な旅ができるようにANAマイルを有効活用してみてください!