ANAマイルを貯めるのにどんなカードがよいですかと聞かれたときに即答するカードが「ANA VISA/Masterワイドゴールドカード」です。ANAマイラー必須のアイテムと言ってよいこのカード。なぜ、お薦めなのでしょうか。実際にこのカードをANAマイル集めのメインカードとして使っている筆者が、お薦めする3つの理由を紹介します。
ANA VISA/Masterワイドゴールドをお薦めする3つの理由
最大マイル還元率が1.6%以上
ANA VISA/Masterワイドゴールドの一番の魅力がマイル還元率の高さです。マイル還元率は、100円のカード利用あたり何%がマイルとして戻ってくるかを表している数字で、割合が高いカードほど、マイルを貯めやすくなります。通常のANAカードはマイル還元率が1%(特約店で2%)、SPGアメックスが1.25%に対して、なんとANA VISA/Masterワイドゴールドは驚愕の1.6%越え(特約店なら2.6%)という恐ろしい数字をたたき出します。ただし、この数字は2021年までなので今すぐ入会、申し込みがお薦めです。(2021年以降は最大で約1.4%になります)
なぜ、このような数字になるのかというと「マイペイすリボのボーナスポイント」と「ステージによるボーナスポイント」、そして「交換ルートの変更」この3つが鍵になります。
「マイペイすリボのボーナスポイント」
ボーナスポイントの説明をする前に、VISA/Masterのポイント制度を簡単に説明します。
まず、カード1,000円の利用に対してワールドプレゼントポイントが1ポイントもらえ、このポイントがANAカードを保有している人は10マイルになります。これでマイル還元率は1%です。しかし、マイペイすリボに登録して、月々の支払いをリボ払いにし、支払いの一部を翌月送りにすることで、その月に獲得したポイントと同数のボーナスポイントがもらえます。ボーナスポイントは1ポイントあたり、3マイルに交換できるので、これで1,000円の支払いだと13マイル(マイル還元率が1.3%)になります。
支払いの一部を翌月送りにすると利息が発生すると思われるかもしれませんが、リボの支払額を毎月の支払額が決定した後で、繰越残高を数百円以内になるように支払い枠を調節すれば、支払う利息は数十円以内で収めることが可能になります。
「ステージによるボーナスポイント」
もう1つワールドプレゼントでは、前年のカード利用状況に応じて3つ(V1~V3)までのステージに分けています。このステージによってボーナスポイントが付与され、それもマイルに変えることができます。下の表参照
2018年2月~2019年1月までの累計 | ステージ | ボーナス1 | ボーナス2 |
300万以上 | V3 | 50万到達時
300ポイント |
以降10万ごとに60ポイント |
100万以上~300万未満 | V2 | 50万到達時
150ポイント |
以降10万円ごとに30ポイント |
50万以上~100万未満 | V1 | 50万到達時
100ポイント |
以降10万円ごとに20ポイント |
仮にステージ「V3」の人が10万円をカード決済したとすると
1.カード利用で100ポイント → 1,000マイル(1ポイント=10マイル)
2.マイペイすリボのボーナス100ポイント → 300マイル(1ポイント=3マイル)
3.ステージボーナスポイント 60ポイント → 180マイル(1ポイント=3マイル)
これで10万円から1480マイル(マイル還元率1.48%)達成です。
あれ、1.6%以上ではないと感じた人、鋭いです。
次の方法は、別のカードが必要になりますが、1.6%の還元率にするために必要です。
「交換ルートの変更」
実は、ワールドプレゼントのボーナスポイントは、そのまま移行すると1ポイントが3マイルにしかなりません。このボーナスポイントの移行ルートを変えます。
具体的には「Gポイント」「LINEポイント」「東京メトロポイント」を経由します。これらを経由するには、それぞれのIDとソラチカカードが必要になります。
まず、ワールドプレゼントポイント(1ポイント)がGポイント(5ポイント)になります。これが等価でLINEポイントに、そして90%が東京メトロポイントに、そしてさらに90%がANAマイルになります。
計算するとワールドプレゼントポイント1ポイントが4.05マイルになる計算です。
これを前述の10万円利用した場合に当てはめるとボーナスポイントの480ポイント分が
ワールドプレゼント(160P)→Gポイント(800P)→LINEポイント(800P)
→東京メトロポイント(720P)→ANAマイル(648マイル)
このようになり、10万円でカード利用のポイントも合わせて1,648マイルを獲得できます。これがANA VISA/Masterワイドゴールドのマイル還元率が最強と言われる理由です。
ただし、既に三井住友カードから2021年をもって「ステージによるボーナスポイントを廃止」ということが発表されていますので、この還元率は2021年までで、2021年以降は、マイペイすリボのボーナスポイントのみで最大約1.4%となる見込みです。
コストパフォーマンス最強の年会費が一万円以下に
ANA VISA/Masterワイドゴールドの魅力は、マイル還元率の良さだけではありません、なんと年会費も安く抑えることができるコストパフォーマンス最強カードなのです。
通常、ANA VISA/Masterワイドゴールドを発行すると年会費14,000円+消費税が必要になります。これではいくらマイルを貯めたくても躊躇してしまう金額です。しかし、ちょっとした裏技を利用することで、年会費を9,500円にまですることができます。
やることは
1.マイペイすリボに登録 3,500円の割引
2.Web明細にする 1,000円の割引
この1と2を併せることで4,500円の割引が可能になり、年会費を9,500円に抑えることができます。1はワールドプレゼントポイントのボーナスポイントをもらうためにも必要なものです。どちらもカード発行後、インターネットで簡単に申し込みができます。
この年会費の安さを感じるのが一般カードと比較した時で、ANAカード VISA/Masterの一般カードは、年会費が2,000円+消費税であるものの、ワールドプレゼントポイントを移行するときに1ポイント10マイルコースにするためには6,000円+消費税がかかります。つまり、一般カードでも1年間に8,000円+税が必要です。ゴールドカードでは、マイル移行手数料が無料なので9,500円で維持することができます。差額は1,500円しかなく、それだけの差で多くの特典が付いてくるANA VISA/Masterワイドゴールドはかなりお薦めになります。
ゴールドカードならではの特典も満載
ANA VISA/Masterワイドゴールドを持つ3つ目のメリットが、豊富な特典です。ゴールドカードは、年会費も高く、審査基準も厳しくなっているのでその分だけ様々な特典が付いてきます。
1つ目がボーナスマイルです。ANAまたはスターアライアンス加盟航空会社の飛行機に乗るとマイルを獲得することができますが、ANAカードを保有している人は通常のマイルに加えてボーナスマイルがもらえます。一般のANAカードを保有している人は区間マイルの10%が上乗せされますが、ゴールドカードの人は25%が上乗せされます。15%の上乗せがあるのでマイルを貯めやすくなります。
2つ目がラウンジの利用です。国内の各空港にはクレジットカードのゴールド会員以上を対象としたラウンジが用意されており、ラウンジでは無料のドリンクや軽食、新聞や雑誌を読むことができます。ラウンジによってはアルコールの提供やビジネスマンに便利なパソコンカウンター、充電設備といったようなものもそろっているので、空港に着いてから搭乗までの時間をのんびりと過ごすことができます。
3つ目が、充実した保険内容です。特に海外旅行保険の部分が充実しており、死亡や後遺障害の場合には最大5,000万円まで、携行品の損害についても年間50万円まで補償してくれるので、これまで海外旅行保険にわざわざ入っていた人は、入らなくても保険が自動付帯になります。
他にも国際線のビジネスクラスカウンター利用などいくつかのメリットがあり、充実した特典を受けることができるのがANA VISA/Masterワイドゴールドカードのメリットです。
ほかのカードと比べたメリット
なぜVISA/Masterブランドなのか
ANAカードのワイドゴールドを選択するときに比較候補となるのが、JCBブランドのゴールドカードです。実際に、スペックのみを比較するとJCBブランドの方が年会費も1,000円程度安価になっており、サービス内容も似ているので、こちらの方が良いような感じがしてしまいます。
しかし、VISA/Masterブランドの場合には、web明細にすることとマイペイすリボを併用することによって年会費を4,500円も安くすることができるので、JCBブランドよりもお得感が出てきます。
同じような比較対象でANAのアメリカン・エキスプレスブランドも候補になりますが、こちらはマイル還元率が基本1%です。しかし、キャンペーンによる入会ボーナスマイルが強力なのとポイントの有効期限が実質なくなるので、期限を意識せずにポイントを貯めていきたい人には、ANAアメックスに軍配が上がります。
SPGアメックスとの比較
陸マイラーご用達のSPGアメックスとの比較で迷う人もいると思います。
SPGアメックスは、基本1.25%の還元率であり、ANA VISA/Masterワイドゴールドの1.6%に比べれば大きな差があります。しかし、この数値はボーナスポイントと別のカードを使ったポイント移行ルートを併用しての数値なので、カードがもう1枚いるなど手間がかかります。さらに2021年をもってステージによるボーナスマイルがなくなるとマイル還元率が1.4%程度まで下がり、さらに差がなくなります。
では、2つのカードの決定的な差は何かと言われれば、ANAカードはANAマイルにしかすることができませんが、SPGアメックスの場合には、いくつかの航空会社のマイルにすることができます。航空各社はマイルを使って特典航空券を発券するときに、自社のマイレージプログラムの人が有利になるようにしています。ANAマイレージプログラムは人気の高いプログラムであり、なかなか特典航空券を取得できないのが現実です。自分の使いやすいマイレージプログラムを複数使って特典航空券を取得したいという人にはSPGアメックスがお薦め、ANAマイルを重点的に貯めたい人はANAカードがお薦めになります。
お得な入会方法は
入会キャンペーンは必須
ANA VISA/Masterワイドゴールドに入会するときにはキャンペーンを最大限に活用しましょう。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/cpn/anacard1907/
キャンペーンの内容は時期によって変わりますが、入会だけで2019年の夏現在では最大23,000マイルをもらうことができます。内訳は入会の特典として2,000マイル、入会後の初フライトでボーナスマイルが5,000マイル、さらに入会後、クレジットカード利用50蔓延以上で15,000マイル、ANAカードファミリーマイル登録で1,000マイルの併せて23,000マイルになります。これだけあれば、入会特典だけで国内旅行に行くことが可能です。
ポイントサイト経由でプラスαを狙う
ANA VISA/Masterワイドゴールドを作るときにただ、入会キャンペーンに申し込みをするだけではいけません。プラスαを必ず狙いましょう。
そのプラスαになるのが、ポイントサイトでもらえるポイントです。ANAカードを発行するときにポイントサイトを経由することで、前述の入会キャンペーン分+ポイントサイトのポイントをもらうことができます。
ANAカード発行でポイントをもらうことができるポイントサイトは「ちょびリッチ」「GetMoney」「ハピタス」「モッピー」です。それぞれ付与されるポイントは変動があり、一概に言うことはできませんが概ね2,000円から3,000円程度のポイントをもらうことができます。どのポイントサイトを利用すると一番ポイントを付与してもらうことができるのか確認してから発行しましょう。2019年の夏現在では、期間限定のポイントアップもあり、「ちょびリッチ」と「GetMoney」がおよそ3,000円(マイル換算で2,700マイル程度)、「ハピタス」「モッピー」がおよそ2,000円(マイル換算で1,800マイル程度)になっています。
・モッピー | ・ハピタス | ・ポイントタウン |
マイ友プログラムを使う
ポイントサイトを使っていないという人は「マイ友プログラム」を使う方法があります。マイ友プログラムとは、マイレージクラブの会員になっている人かた紹介してもらって入会をする方法です。
このプログラムを利用するだけで2,000ポイントのボーナスマイルを獲得することができます。実は、マイ友プログラムは親族ではなくてもポイントを獲得することができ、カード入会紹介サイトから申し込みをするだけで、自動的にマイ友プログラムを経由して入会することができるサイトがあります。
こうしたサイトを利用して、カード発行の申し込みをすれば確実に2,000マイルを獲得することができます。
ANAカードの入会は、4月や12月といったような新しい顧客が増えそうな時期になるともらえるボーナスマイルが増加する傾向があります。こうした時期を狙って入会するのも賢いやり方です。