ANAの上級会員入りを目指す「ANA修行」「SFC修行」をするにはどんなクレジットカードを発行すればよいのでしょうか。ANA修行をすると一般的な飛行機の乗り方とは少し変わってきます。そこで修行の特徴や留意点を紹介します。次に、特徴や留意点をふまえて「ANA修行」に最適なカードを5枚紹介します。2024年のANA修行を考えている人は参考にしてください。
【画像提供:筆者】
「ANA修行」の特徴を理解してクレジットカード発行
「ANA修行」とは
「ANA修行」を簡単に説明すると、1年間(1月~12月)の間にANAまたはANAの加盟しているスターアライアンス、ANAの提携航空会社の飛行機に乗ると貯めることができる「プラチナポイント」を一定数貯めて「ANAの上級会員」になることです。
【ANA公式サイトより】
ANAマイレージクラブのステイタスには3つの種類がありますが、会員資格を取得してしまえば永久にANAの上級会員になり続けることができる「SFC会員(スーパーフライヤーズ会員)」が1つの目標になります。SFC会員になるためには「プラチナサービス」を達成する必要があります。ANA修行をする人の多くが、このプラチナサービスまたはその上のダイヤモンドサービスを目指して修行をします。
「ANA修行」の特徴や留意点をふまえてクレジットカードを決めることが重要
ANAでは、数多くの種類のクレジットカードを発行しており、カード毎にマイルが貯めやすかったり、年会費が安かったりという特徴があります。では、「ANA修行」をするにはどんなカードが良いのでしょうか。ANA修行の特徴や留意点をふまえて解説します。ポイントになるのは次の4点です。
①飛行機に乗りまくる必要がある
プラチナステータスを達成するためには、フライトでマイルとは別に貯まる「プレミアムポイント」を1年間に50,000プレミアムポイントを貯める必要があります。
【ANAマイレージクラブステータスと獲得条件】
ステータス | 必要プレミアムポイント |
ブロンズ | 30,000 PP
うちANAグループ運航便15,000 PP以上 |
プラチナ | 50,000 PP
うちANAグループ運航便25,000 PP以上 |
ダイヤモンド | 100,000 PP
うちANAグループ運航便50,000 PP以上 |
この50,000ポイントを貯めようと思うと
- 東京-沖縄(那覇)であれば最低でも11往復(運賃の種別によっては17往復)
- 東京-シンガポールで8往復
これだけの飛行機に乗らなければいけません。
【画像提供:筆者】
【ANA フライトマイル・プレミアムポイントの獲得数は各運賃によって異なります。路線ごとの獲得ポイントシミュレーションをしたい人は下記リンクから計算してください】
https://cam.ana.co.jp/amcmember/SimulationJaResult
つまり飛行機に乗ることで何らかのメリット(ボーナスマイルがもらえるなど)があるクレジットカードを選択するのがポイントになります。
②多額の修行費用がかかる
飛行機に乗りまくらなければいけないので当然「ANA修行」は航空券代を支払わなければいけません。いくら割引運賃とはいえ、東京と沖縄を単純往復で17回もすれば50万近い費用がかかります。もちろん、航空券代だけでなく空港までの交通費、場合によっては宿泊費なども必要になります。
③ANAへの支払いが中心となる
ANA修行の場合、お金を支払う先はほとんどがANAになります。ANAの提携航空会社やANAが加盟している「スターアライアンス」に所属している航空会社に搭乗してもプレミアムポイントを貯めることができますが、半分以上のプレミアムポイントは「ANAグループ」という条件が付いています。つまり修行をするために利用するカードは「ANAを利用する」ことにメリットが付いているものであればお得になります。
④キャンペーンで大量のボーナスマイルがもらえる
ANA修行に限らずクレジットカードを発行する際の「入会ボーナス」に注目する人も多いと思います。これもカード発行をする際には重要です。ANAカードの中には「入会キャンペーン」でボーナスマイルを付与するものがあります。ボーナスマイルは、ANA SKYコインに交換をすることで航空券の購入に利用できます。
4つの条件からカードを絞る
さきほど述べたANA修行に求められる①~④の条件で今、発行されているクレジットカードを絞り込んでいきます。
①飛行機に乗りまくる必要がある
飛行機に乗るとプレミアムポイントとは別にマイルを貯めることができます。マイルはステイタスとは関係ありませんが、特典航空券や電子マネーなどに交換することができます。マイルを貯めて飛行機に乗ることができる「特典航空券」ではプレミアムポイントは貯まりませんが、一般航空券を購入し、航空券の支払いをマイルから交換したANAスカイコインで支払えばプレミアムポイントを貯めることができます。
【ANAマイルからANA SKYコインへの交換倍率】
交換マイル数 | ANAゴールドカード
(ANAアメックス・ゴールド含む) |
ANA一般カード |
1~9,999 | 1倍 | 1倍 |
10,000 | 1.2倍 | 1.2倍 |
20,000 | 1.3倍 | 1.3倍 |
30,000 | 1.4倍 | 1.4倍 |
40,000 | 1.5倍 | 1.5倍 |
50,000~200,000 | 1.6倍 | 1.5倍 |
【ANA SKYコインにマイルから交換する公式ページより】
フライトマイルの貯まるカードであれば「飛行機に乗ることでマイルを貯めやすい」状態なります。
「飛行機に乗る→マイルを貯める→ANAスカイコインに交換→修行の航空券代に充てる」という流れができ、フライトマイルの貯まるカードがお得になることがわかります。
この場合、発行するクレジットカードはANAが発行している「ANAカード」がおすすめになります。一般カードであればフライト距離の10%、ゴールドカードであれば25%、プレミアムでは50%のボーナスマイルが上乗せされます。
②多額の修行費用がかかる
ANA修行はルートにもよりますが、40万円以上の出費があります。しかも2024年に修行を考えているのであれば、割引航空券の予約開始は3か月以上前から始まることが多く、マイルの貯めやすい沖縄路線や北海道路線の安い航空券はすぐに売れてしまいます。航空券の発売開始と同時に予約してもよい競争率を考えると、2024年にANA修行を考えている場合、すぐ路線や自身の日程の調整をして予約をしはじめなければいけません。多額の費用を支払うことになるので、決済でマイルやポイントに還元されやすいカードが必要になります。
③ANAへの支払いが中心となる
ANA修行をする場合、ANAへ航空券代を支払うことになりますが、クレジットカードによってはANAへの支払いでポイントの付与が優遇されているものがあります。それが「ANAカード」です。ANAが発行しているカードは、ANAの航空券決済時に付与されるポイントが2倍~3倍というボーナスが付いてきます。このボーナスポイントはマイルからANA SKYコインや電子マネーに交換することができるので修行の助けになります。
④キャンペーンで大量のボーナスマイルがもらえる修行である程度大きな金額をカード利用することになるので、クレジットカード発行でボーナスマイルが付与されるようなカードがあれば、利用金額の条件を満たしやすくボーナスマイルが獲得しやすくなっています。後に紹介するカード選びにおいても「入会ボーナス」がカード選びで重要な意味をもちます。獲得したマイルはANA SKYコインに交換することで、修行費用の一部に充てることができます。大きな出費があることを逆手にとって「入会ボーナス」を獲得できるカードを選びましょう。
ANAカードにはいろいろな種類があるが修行にはANAカード系がよい
ANAマイルを貯めるのであれば、ANAカードの他に「マリオットボンヴォイ・アメリカンエキスプレス」や「楽天カード」などもあります。しかし
① フライトによるボーナスマイルが貯まること
② ANAへの支払いでマイルが2倍以上貯まること
③ 入会キャンペーンを活用できること
この3つを考慮するとANA修行には「ANAカード」系を選択するのがよくなります。では、数あるANAカードの中でも「修行にお薦めはどのカードか」という視点で5つのカードをおすすめ順に紹介します。
2024年春版 ANA修行にお薦めのクレジットカード 第1位は
ANA修行の条件をふまえた上でお薦めのクレジットカードは何になるのか。これは、はっきり言って「ANA アメリカンエキスプレス・ゴールドカード」です。2023年もおすすめのクレジットカード 第1位として紹介しましたが、今年度もANA修行におすすめのクレジットカードとしては第1位になります。
【アメリカンエキスプレス公式サイトより】
【ANA アメリカンエキスプレス・ゴールドの概要】
年会費 | 本カード ¥34,100 家族カード ¥17,050 |
マイル還元率 | 通常1% ANAグループ利用3%
ANAカードマイルプラス加盟店2% |
空港ラウンジ | 国内29空港のカードラウンジ
プライオリティパス利用可能ラウンジ |
旅行損害保険
(最大) |
国内5,000万円 海外1億円 |
航空便遅延補償 | 付帯 |
ポイント移行 | 無料 |
搭乗ボーナスマイル | 25% |
このようなスペックになっています。では、なぜ修行にお薦めなのか、その理由を5つ紹介します。
最大還元率3%でマイルが貯まる
一般的にマイルを貯めることができるクレジットカードのマイル還元率は1%が基本です。しかし、ANAグループの利用に関してはボーナスポイントが付くようになっています。ANAアメックスは100円につき2ポイントのボーナスが付くので、基本の1%と併せると100円で3マイル加算されます。同じANAカードのゴールドでもある「ANA VISAワイドゴールド」の場合、ボーナスが100円で1ポイントなので、航空券購入100円につき2マイルしか貯まりません。ANA修行をする際にはANAの航空券代だけでも高額な出費になります。仮に60万円分の航空券を購入したとすると
カード名 | 60万円利用時の獲得マイル |
ANA アメックス・ゴールド | 18,000マイル |
ANA VISAゴールド | 12,000マイル |
このように利用するカードが違うだけで6,000マイルの差が付きます。この差がどんな意味をもつのかは後程説明します。
フライトのボーナスマイルが25%加算
飛行機に乗ってフライトをすると貯まるマイルですが、フライト距離に航空券の種別ごとに決まっている倍率をかけて付与されるフライトマイルとは別に、ANAカードを保有している人には「ボーナスマイル」が付与されます。このボーナスマイルが、ANAカードアメックスゴールドを保有している人は『区間マイル×25%』になります。一般カードの場合10%のボーナスマイルとなるので、差は15%しかありません。しかし、「ANA修行においてはたくさんの距離を乗らなければいけない」ため、この差が獲得マイルに大きな影響を与えます。
【ANA SUPER VALUE 21を用いて東京(羽田)-沖縄(那覇)の獲得マイル 】
東京-沖縄
基本マイル |
フライト獲得マイル | ボーナスマイル | 34フライトしたときのボーナスマイル | |
ANAアメックス・ゴールド | 984マイル | 738マイル | 246マイル | 8364マイル |
ANAアメックス・一般カード | 984マイル | 738マイル | 98マイル | 3332マイル |
割引運賃でプラチナ基準を達成するためには東京と沖縄を34フライトが必要なので、34フライトを終えた後で獲得したマイルの差を比較すると5,000マイルの差が付きます。フライトでのマイルを貯めやすいという点でもANAアメックス・ゴールドの優位性が見られます。
【画像提供:筆者】
お得なレートでANA SKYコインに交換できる
ANAアメリカンエキスプレス・ゴールドのメリットとして、ここまで「マイルが貯めやすい」という部分を2つ紹介しました。このマイルと関係するのがANA SKYコインとの関係です。
ANAスカイコインは、ANAマイルなどから交換することができる電子マネーのようなもので、ANAの航空券や旅行代金の支払いに利用することができます。つまり、『貯まったマイルをANA SKYコインに交換し、交換したコインで航空券代を支払う』というルートを利用すれば、ANA修行にかかる費用を少なくすることが可能になります。しかも、『ANAマイルからANA SKYコインに交換するときの交換率』は、持っているカードによって変わり、ANAアメックス・ゴールドには優遇措置があります。
【ANAスカイコイン公式サイトより】
交換率を見ると分かりますが、50,000マイル以上を交換したときの交換率は1.6倍となるので、よりたくさんのANA SKYコインを手に入れることができ、修行にかかる費用をANA SKYコインで支払うことができます。
ANA修行をするにあたりお得な特典がある
ANAアメックス・ゴールドには、マイル面だけでなくANA修行をするに便利な特典があります。まず、空港においてカードラウンジを利用することができます。日本のほとんどの空港にクレジットカード会社が経営しているカードラウンジがあるので、飛行機に搭乗するまで、そこでゆっくりと過ごすことができます。ラウンジではソフトドリンク(ラウンジによってはアルコール飲料もあり)やインターネット接続サービス、新聞や雑誌の閲覧などといったことが可能です。
さらに2022年9月からANAアメックス・ゴールドに「プライオリティ・パス」が付帯されることが発表されました。プライオリティ・パスは空港でのラウンジを利用することができる権利をもったカードです。ゴールドカード以上が利用できる「カードラウンジ」とは異なり、航空会社が運営するラウンジを利用できます。利用可能ラウンジは、世界で1300ヶ所以上ありますが、日本国内だと成田空港の国際線利用時にANA ラウンジを利用することができます。ただし、プライオリティ・パスでラウンジを無料で利用できるのは年間2回(全てのラウンジを含めて)までという制限が付いているので注意してください。【プレミアムカードに付帯されるプライオリティ・パスは利用回数に制限がないので混同しないようにしてください】
また、旅行保険も付帯されています。旅行中に病気やけがをした際の保険が付いているのも安心を得ることができます。
【プライオリティ・パス公式サイトより】
キャンペーンでもらえるボーナスマイルが最大100,000マイル
最後に紹介するメリットが「ANA アメリカンエキスプレス・ゴールド」をお薦めする最大の理由です。それが最大100,000マイル相当の入会キャンペーンです。
【ANAアメリカンエキスプレス・ゴールド公式サイトより】
100,000マイル相当なので、そのままANA SKYコインに交換をしたら実に16万円分になります。フライトをする前の段階でこれだけのANA SKYコインを手に入れることができれば、そのままANA修行にかかる航空券代を抑えることができます。もちろん、そのままマイルとして保管しておいて、特典航空券にすることもできます。100,000マイルあれば、シーズンによっては、ビジネスクラスでアメリカ往復も可能なぐらいのマイル数になります。
2023年1月現在行われている、ANAアメリカンエキスプレス・ゴールドのキャンペーンは次のようになっています。
【ANA アメリカンエキスプレス・ゴールド キャンペーン付与ポイント】
条件 | 獲得ポイント |
入会ボーナス | 2,000ポイント |
入会後3か月以内にカード45万円以上の利用で | 15,000ポイント |
入会後3か月以内にカード120万円以上の利用で | 33,000ポイント |
入会後3か月以内にカード150万円以上の利用で | 35,000ポイント |
150万円のカード利用で | 15,000ポイント |
合計 | 100,000ポイント |
アメリカンエキスプレスのポイントは1ポイント=1マイルで交換することが出来るので、ANAマイルを100,000マイル貯めることができます。
これをANA SKYコインに交換する場合は「1.6倍」のレートが適用されるので、160,000スカイコインをゲットすることができます。
2024年春版 ANA修行にお薦めのクレジットカード 第2位は
ANA修行にお薦めのクレジットカード2枚目は「ANA アメリカンエキスプレスカード」です。
【ANA アメリカンエキスプレス公式サイト】
【ANA アメリカンエキスプレス 一般カードの概要】
年会費 | 本カード ¥7,700 家族カード ¥2,750 |
マイル還元率 | 通常1% ANAグループ利用2.5%
ANAカードマイルプラス加盟店2% |
空港ラウンジ | 国内29空港のカードラウンジ |
旅行損害保険
(最大) |
国内2,000万円 海外3,000万円 |
航空便遅延補償 | なし |
ポイント移行 | 6,600円/年 |
搭乗ボーナスマイル | 10% |
1位で紹介したゴールドカードのワンランク下の一般カードになります。ゴールドカードの年会費に比べるとかなり安くなるので保有しやすそうな感じがしますが、アメックスのポイントをANAマイルに移行するには移行手数料が発生するので、維持費は年間14000円ほどになり、ゴールドカードとの差額は約2万円程度になります。
ANAグループ利用で2.5%の還元率
ANAアメックス一般カードは、一般カードでありながらANAグループの利用決裁で付与されるポイントの還元率が2.5%あります。一般的なカードは2%が多いので、その分マイルが貯まりやすくなります。
入会のボーナスが大きい
ゴールドカードにはかないませんが、2024年1月現在行われている、ANAアメリカンエキスプレス・一般カードのキャンペーンは次のようになっています。
【ANA アメリカンエキスプレス・一般カード キャンペーン付与ポイント】
条件 | 獲得ポイント |
入会ボーナス | 1,000ポイント |
入会後3か月以内にカード15万円以上の利用で | 2,000ポイント |
入会後3か月以内にカード45万円以上の利用で | 10,000ポイント |
入会後3か月以内にカード70万円以上の利用で | 10,000ポイント |
50万円のカード利用で | 7,000ポイント |
合計 | 30,000ポイント |
キャンペーン攻略で30,000ポイント、ANA SKYコインにすると約45,000円相当のコインにすることができるので、ANA修行費の一部に充てることができます。
【アメックス公式サイトより】
ANAアメックス一般カードの弱点
修行の視点から見ると搭乗ボーナスマイルに差が生じること(前述の沖縄往復を例にすると5,000マイルほど)、また、ANAグループの航空券を購入した際のポイント付与率にも差が0.5%あります。50万円近い航空券を購入するのであれば2,500円の差。さらに入会のボーナスは70,000マイル分(ANA SKYコイン換算で112,000円相当)の違いになります。ANAアメリカンエキスプレスゴールドの方が特典が魅力的で、年会費の差を埋めることができてしまうため、一般カードを発行するのであれば「ゴールドカード」をおすすめします。
2024年春版 ANA修行にお薦めのクレジットカード 第3位は
ANA修行にお薦めのクレジットカード3枚目は「ANA アメリカンエキスプレスカード プレミアム」です。
【ANAアメリカンエキスプレス公式サイトより】
【ANA アメリカンエキスプレス プレミアムカードの概要】
年会費 | 本カード ¥165,000 家族カード 無料(4枚まで) |
マイル還元率 | 通常1% ANAグループ利用4.5%
ANAカードマイルプラス加盟店2% |
空港ラウンジ | 国内29空港のカードラウンジ
プライオリティパス利用可能ラウンジ ANA国内線ラウンジ |
旅行損害保険
(最大) |
国内最高1億円 海外最高1億円 |
航空便遅延補償 | 最高3万円 |
ポイント移行 | 無料 |
搭乗ボーナスマイル | 50% |
1位で紹介したゴールドカードのワンランク上のプレミアムカードになります。付いてくる特典が多く、ポイントもたまりやすいです。年会費が16万円を超えているという点とプレミアムカードなので審査がそれなりに厳しく、審査基準を満たすことができる人であれば、間違いなくお薦めNo.1ですが、コストパフォーマンスを考慮すると3位になります。
ANAグループ利用で4.5%の還元率
ANAアメックスプレミアムのすごいところは、ANAグループの利用決裁で付与されるポイントの還元率が4.5%あります。ANA航空券の購入では4.5%が採用されます。ANA修行で60万円分の航空券を購入したとすると下の表のようになります。
カード名 | 60万円利用時の獲得マイル |
ANA アメックス・プレミアム | 27,000マイル |
ANA アメックス・ゴールド | 18,000マイル |
ANA VISAゴールド | 12,000マイル |
ゴールドカードと比べると9000マイル分、他の競合クレジットカードと比べても多くのマイルを稼ぐことができます。
フライトボーナスマイルは50%
ANAカードの特徴であるフライトで付与されるボーナスマイルもアメックス・プレミアムの場合「50%」になります。
【東京―沖縄を34フライト(17往復)したときの獲得ボーナスマイル差】
カード名 | 東京―沖縄を34フライト(17往復)したときのボーナスマイル |
ANA アメックス・プレミアム
(50%) |
16,728マイル |
ANA アメックス・ゴールド
(25%) |
8,364マイル |
ANAアメックス・一般
(10%) |
3,332マイル |
ゴールドカードとは獲得マイルに8000マイル以上の差が付きます。ボーナスマイルが大きいだけにフライトの数が増えるANA修行ではマイルが貯まりやすくなります。
入会のボーナスがゴールド以上
プレミアムカードのキャンペーンはゴールド以上で、2024年1月現在行われている、ANAアメリカンエキスプレス・プレミアムカードのキャンペーンは次のようになっています。
【ANA アメリカンエキスプレス・プレミアム キャンペーン付与ポイント】
条件 | 獲得ポイント |
入会ボーナス | 10,000ポイント |
入会後3か月以内にカード50万円以上の利用で | 20,000ポイント |
入会後3か月以内にカード150万円以上の利用で | 40,000ポイント |
入会後3か月以内にカード300万円以上の利用で | 50,000ポイント |
300万円のカード利用で | 30,000ポイント |
合計 | 150,000ポイント |
【ANAアメックスプレミアム公式サイトより】
キャンペーンを完全攻略するためには「3か月で300万円の利用」という少し高いハードルになっていますが、条件さえ突破できる人であればボーナスもあわせて150,000ポイント、ANA SKYコインにすると約240,000円相当のコインにすることができます。これだけあればANA修行に必要になる航空券代の半分程度はキャンペーン獲得で得ることができるポイントでまかなうことができる状態です。
ANAアメックス・プレミアムカードの良いところ
ANAアメックス・プレミアムは、最高ランクのカードだけあって保険も充実しています。国内海外共に旅行保険は最大1億円、修行ではありがたい航空機の遅延補償も付いています。さらにゴールドにない魅力として、カードを保有している段階で「ANA国内線ラウンジ」を利用することができます。
【画像提供:筆者】
本来は、上級会員になってからしか入ることができない「ANAラウンジ」ですが、一足先に利用することができ、搭乗までの待ち時間を飛行機に近い制限エリア内にある「ANAラウンジ」で過ごすことができます。また、プレミアムカードにも「プライオリティ・パス」が付帯されるので、海外の空港ラウンジなども利用できます。プレミアムカードに付帯される「プライオリティ・パス」はANA アメリカンエキスプレスゴールドに付帯されるものと名前は同じですが、特典が異なり、利用回数(ゴールドは2回まで)に制限がない特典になっています。
年間500万円以上カードを利用すると毎年30,000円分のANA SKYコインが付与されたり、24時間365日利用できるコンシェルジュサービスが付いたりするなど、最高峰のカードらしい特典が盛りだくさんです。
ANAアメックス・プレミアムの弱点
たくさんの魅力的な特典があるANA アメックス・プレミアムですが、問題になるのが年会費です。ゴールドが34,100円に対してプレミアムカードは165,000円、差額は13万円近くあります。ANA修行でこの差額を埋めることができるかというと、小さくはなるものの埋めるまではいきません。
先ほど例示した、カードのポイント還元率の違い、フライトボーナスの違いを合わせてもゴールドよりお得になるのは約17000マイル、さらに入会ボーナスの差は20,000マイル分。併せてSKYコインにしても約5万5千円の差です。日々のカード払いで年間500万を超えるような人であれば、3万円分のスカイコインが付与されるので、差額はもっと小さくなります。プレミアムカードを持つというステイータスに魅力を感じる人は、このカードがお薦めですが、全体的に見て1位のカードになるのかというとコストパフォーマンスの面で3位となります。
2024年春版 ANA修行にお薦めのクレジットカード 第4位は
ANA修行にお薦めのクレジットカード4枚目は「ANA ダイナースカード」です。
年会費 | 本カード ¥29,700 家族カード ¥6,600 |
マイル還元率 | 1% |
空港ラウンジ | カード会社ラウンジ利用可能 |
旅行損害保険
(最大) |
海外 最高1億円
国内 最大1億円 |
航空便遅延補償 | なし |
ポイント移行 | 無料 |
搭乗ボーナスマイル | 25% |
昨年度はランキング外のカードでしたが、本年度は4位にランクインです。その理由を解説します。
魅力的な入会ボーナス
ANAダイナースカードがランキング入りしてきた一番の理由が2023年10月から2024年3月29日まで実施されている大型の入会キャンペーンです。
カードを発行するとき選択したコースによって最大128,000マイル相当のボーナスマイルを獲得することができます。
【ダイナースクラブカードホームページより】
①全てのコースに共通してANAダイナースカードを発行するだけで2,000マイルを獲得できます。
②入会時に3つのコース選択があり、条件を満たすことができればマイルに交換できるポイントが付与されます。
コース名 | 条件 | 獲得マイル |
Aコース | 入会から3か月以内に100万円以上の利用 | 32,000 |
Bコース | 入会から3か月以内に150万円以上の利用 | 48,000 |
Cコース | 入会から3か月以内に300万円以上の利用 | 96,000 |
【ダイナースクラブホームページより】
③特典の利用金額に応じたポイント
コース名 | 条件 | 獲得マイル |
Aコース | 100万円の利用 | 10,000 |
Bコース | 150万円の利用 | 15,000 |
Cコース | 300万円の利用 | 30,000 |
上記の①~③を合算すると最大で128,000マイル相当を獲得することができます。「3か月で300万円以上の利用」条件は少し厳しいですが、同じクラスのカードである「アメックス・ゴールド」のキャンペーンが最大で100,000マイルの獲得なので、それを上回る大型キャンペーンです。
この数字だけ見るとANAダイナースカードが1位になってもおかしくないように見えますが、5位になっているのはデメリットもあるためです。
ANAダイナースのデメリット
魅力的な特典がある一方でANAダイナースの弱い部分は航空券購入時のマイル付与率がANAアメックスに比べると落ちます。
ANAダイナースはANA航空券購入時、「通常の100円=1マイルに加盟店の特典として100円=1マイルの合計100円で2マイル」が付与されます。一方、ANAアメックス・ゴールドであれば、ANAの航空券購入時、100円=3マイル付与されます。
「ANA修行」という視点で見た場合、ANA航空券を購入する機会が増えるので、ANA航空券を購入するときにポイントが少ないのはデメリットになります。
そのため、ANAダイナースはANAアメックスに比べるとANA修行をする際には少し弱いカードになってしまいます。
2024年春版 ANA修行にお薦めのクレジットカード 第5位は
ANA修行にお薦めのクレジットカード5枚目は「ANA VISA ワイドゴールド」です。
【ANA VISAワイドゴールドカード公式サイトより】
【ANA VISA ワイドゴールドの概要】
年会費 | 本カード ¥15,400 家族カード ¥4,400 |
マイル還元率 | 通常1% ANAグループ利用2%
ANAカードマイルプラス加盟店2% |
空港ラウンジ | 国内29空港のカードラウンジ |
旅行損害保険
(最大) |
国内5,000万円 海外5,000万円 |
航空便遅延補償 | なし |
ポイント移行 | 無料 |
搭乗ボーナスマイル | 25% |
三井住友カードと提携して発行しているANAカードのゴールドです。ANAカードゴールドの中でも年会費が安く、保有しやすいメリットがあります。
ANAグループ利用で2%の還元率
ANA VISAワイドゴールドカードは、ANAグループの利用決裁で付与されるポイントの還元率が2%になります。ただし、ゴールドであっても一般カードであってもANAグループ利用時の付与率に違いはありません。
入会のボーナス
ANA VISA ワイドゴールドカードでも公式サイトでキャンペーンが行われており、攻略で大量マイルを獲得することができます。2024年1月現在行われているキャンペーンは次のようになっています。
【ANA VISA入会 キャンペーン付与ポイント】
ANA VISAワイドゴールドカード発行時
特典①:入会ボーナス 2,000マイル
特典②:【合計50万名様に当選】対象のANAカードでエントリーの上、期間中に各月合計1万円(税込)以上のご利用で最大5万円相当のVポイントが当たる
特典③:「分割払い」「リボ払い」「2回払い」のご利用で、抽選2,000名に10,000ポイントが当たる
特典④:マイ・ペイすリボ登録&利用プランの条件達成で3000円のキャッシュバック
VISAのキャンペーンの弱いところは、ほとんどが抽選になっている点です。確実にもらうことができるマイルは2,000マイルしかないので、ほかのカードに比べるとキャンペーンで獲得できるマイル数が見劣りします。
昨年度はかなり大きなキャンペーンが実施されていましたが、2024年2月末までのキャンペーンでは、大きなボーナスの告知がありません。
ANA VISAワイドゴールドの弱点
年会費はANAアメリカン エキスプレス ゴールドよりも安く、スペックも変わらないような感じがしますが、キャンペーンのボーナスが大きく違います。ANA アメックスの場合は最大100,000マイル相当、VISAは最大でも2,000マイル相当で98,000マイル分の差があります。ANA VISAワイドゴールドの場合、カード決済によるポイントが入っていませんが、50万円分カード決済をしても貯まるマイルは5,000マイルです。93,000マイル分の差が生まれ、ANA SKYコイン換算すると約15万円分の差になります。これはカードの年会費の差を完全に埋めており、年会費が高くてもANA アメックスゴールドの方がお得になります。キャンペーンの弱さがANA VISAワイドゴールドの弱点です。
まとめ 2024年ANA修行をするのであればANAアメックス・ゴールドがおすすめ
ここまで、2024年にANAの飛行機に乗りまくってANAのステイタスを獲得する「ANA修行」を目指す人のためのクレジットカードについて解説しました。ボーナスポイントをたくさんもらうことができ、航空券を購入するときの還元率もよい「ANA アメリカンエキスプレス・ゴールド」が今のところ、最もお薦めできるクレジットカードです。貯まるポイントを上手に利用すれば、ANA SKYコインを利用して修行にかかる費用を抑えることもできます。ANA修行をするには大量にポイントやマイルを獲得できるカードが欠かせません。
【画像提供:筆者】